KOKUHO SYSTEM CO.LTD.

ニュース

  1. 総合TOP
  2. ニュース
  3. コラム
  4. 電気の仕組み 同時同量とは

2021.12.27

電気の仕組み 同時同量とは

皆さんが何不自由無く当たり前のように今、その瞬間に使っている電気は、その瞬間にどこかの発電所で発電している電気です。電気は大量に貯めることが出来ません。

電気を安定供給出来ているのは各電力会社の方々が24時間体制で日々、電力需要を予測しながら発電量の調整を行い30分単位での電力同時同量を保っているからです。

もし電力系統全体で電力需要と供給量のバランスが崩れた場合、周波数が乱れ大規模停電が発生します。

各電力会社内で需給バランスが崩れた時はインバランス料金(最大200円/kwh)のペナルティーが発生しますので、事前に日本卸電力取引所(JEPX)で余剰電力は売却、不足電力は仕入れを行います。そして発電所を所有しない小さな新電力会社は販売する電力を全て電力卸市場から仕入れています。

昨今、不安定な変動型再生可能エネルギーである太陽光発電や風力発電の発電量が大幅に増え、世界的にイメージは悪いが、火力発電が調整電源として重要な役割を担っている。

電力需要が多い東京電力、中部電力、関西電力を除く地域では、特に電力需要が少ない春秋シーズン、電力需要を供給量が上回ってしまう現象が頻発している。

実際に電力系統に変動型再エネ電力が流れてしまうと大規模停電の恐れがあるため、火力発電は極力出力を絞り、余剰電力は最大限、揚水力発電をフル稼働させた上で、それでも消費しけれない余剰電力分は、本来発電したであろう再エネ発電量の出力を抑制されてしまう出力抑制が行われている。

 

今後、出力抑制の機会損失を減らすため、様々な対策が検討されている。

①火力発電の最低出力50%⇒20~30%引下げ見直し

②大規模蓄電池導入 ③余剰電力の水素転換 ④VPP(バーチャルパワープラント)

⑤系統増強と地域間の電力融通 ⑥DR(デマンドレスポンス)

これらの対策には、次世代テクノロジーであるAI,Iot技術革新や次世代モビリティーであるEV車の普及拡大も期待されている。