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2022.01.17

電気の仕組み 電源別発電コスト

資源エネルギー庁から各電源別の発電コスト試算が公表されている。

2020年で既に太陽光は火力・原子力と肩を並べるぐらい発電コストが下がっている事が分かる。

2030年では、火力・原子力は現在よりコストが上がり、太陽光はコストが下がる逆転が予測されている。

本資料で各電源別の発電コスト内訳を見ていくと、太陽光は他の電源と比べて燃料費、社会的費用が掛からないが、火力・原子力は燃料費のほか、CO2分解処理や福島の賠償費用などの社会的費用が掛かってくる。

ただし全ての発電コストには系統接続費用や系統安定費用は含まれていない。

出典:資源エネルギー庁 発電コスト検証WG

変動型再生可能エネルギーである不安定な太陽光・風力の大量導入と発電コストの低下に伴って、各電源が電力システム全体に与える影響も分析しないと、コストの全体像を捉えられないという考え方が、世界各国で広がってきている。

火力は定格運転よりも瞬発力を活かした調整電源としての活用局面が増えるため、設備利用率が下がりコスト上昇を推移している。ただし安定した電力を送電するための系統接続や系統安定費用を含めた※総合コストの一部を考慮した発電コスト(LCOE)では、変動型再エネである太陽光(18.9)・風力(18.5)はまだまだ高い。調整力を持った蓄電池も含めた変動型再エネ発電コストが火力同等になって初めてカーボンニュートラルも加速するだろう。

※総合コストの一部を考慮した発電コスト(LCOE)とは、エネルギーのベストミックスに対し各種の電源を一定量(限界的に)増加させたとき、電力システム全体で変化する費用をとらえ、これを当該電力を増加させた正味の発電電力量で除した費用を、当該電源の追加によって発生するコスト。

出典:東京大学生産技術研究所 荻本 和彦 先生/日本エネルギー経済研究所 松尾 雄司 先生